法務省が公表する矯正統計を詳細に読み解くと、背筋の凍るような現実が浮き彫りになる。無期懲役確定者のうち、仮釈放によって社会復帰を果たす人数は年間わずか数名程度にすぎない。これに対し、刑務所内で病死または老衰によって命を落とす受刑者の数はその数倍に跳ね上がる。
「刑務所の特養化」と呼ばれる現象が全国の行刑施設を蝕む。自力歩行すらままならず、認知症を患った高齢の無期懲役囚のオムツを刑務官が交換する日常。最高裁判所が下した厳罰判決の行き着く先は、更生施設ではなく終末期医療の現場と化しているのだ。国民が想像する峻厳な監獄のイメージと、介護施設化した獄舎の日常との間には、残酷な断絶が横たわる。
仮釈放の審査を担当する地方更生保護委員会の判断基準は極めて厳格だ。被害者側の処罰感情が収まらない限り、仮釈放の門は事実上閉ざされる。希望を奪われた受刑者たちが生きながらにして朽ちていく構造。これこそが、我が国の刑事司法がひた隠しにしてきた不都合な真実である。