三輪山へ立ち入る行為は「登山」ではなく、神の懐に入る「登拝」と呼ばれる。2026年現在、登拝者の増加に伴い、聖域の尊厳と自然環境を守るための規律はより厳格に運用されている。希望者は狭井神社にある申込所で手続きを行い、初穂料を納めた上で、授与される白い「中ツ折」のタスキを身につけることが義務付けられている。
この聖域において絶対にやってはいけない注意点は明確だ。第一に、山内での写真・動画撮影は一切禁止されている。スマートフォンのカメラを向ける行為自体が不敬とみなされる。第二に、飲食の厳禁だ。熱中症対策のための水分補給(水やお茶のみ)は認められているが、食物の口入れや喫煙は固く禁じられている。さらに、葉っぱ一枚、小石ひとつとして山外へ持ち出すことは許されない。
奈良県神社庁などの指導のもと、登拝者は「静寂を保ち、自己責任で下山する」という原則の徹底を求められる。午後4時までの完全下山が定められており、天候不良時や軽装での身勝手な入山は厳重に諫められる。