安全で快適な輸送サービスを維持するためとはいえ、鉄道運送事業を取り巻く経営環境は限界に達しつつある。親会社である近鉄グループホールディングスの傘下で広大なネットワークを維持する同社だが、動力費の急騰や防犯対策の強化、バリアフリー化の推進など、固定費の増大が著しい。
国土交通省へのしかるべき申請手続きを経て進められた今回の運賃改定は、将来に向けたインフラ投資を確実なものにする狙いがある。経営陣を率いる若林久氏らトップ層も、持続可能な鉄道網の存続には不可欠な決断であったと強調する。利用者にとっては厳しい局面だが、安全運行という対価を守るための苦渋の選択といえる。