犯行の実行役に抜擢されたベトナム出身のドアン・ティ・フオン。女優を夢見ていた彼女は、自称・映像プロデューサーの男たちから「ドッキリ動画のキャスト」としてスカウトされた。スターへの階段を上っていると信じ込まされた純粋さが、あまりにも残忍な形で利用されたのである。
裁判の過程で浮き彫りになったのは、彼女たちが置かれた壮絶な孤独だった。手に付着した物質の危険性を一切知らされず、指示通りに手洗いを行ったことで奇跡的に致死量を免れたものの、法廷では殺人罪で起訴され、終身刑の恐怖と闘うこととなった。巧妙に仕組まれたマインドコントロールと情報遮断の犠牲者と言えた。