「今夜はエンジェル ドラマ」というキーワードで多くの人が探している名作の正式タイトルは、『ヤヌスの鏡』(フジテレビ系列・水曜20時枠、1985年10月〜1986年4月放送/全18話)です。制作を手掛けたのは、『スチュワーデス物語』や『不良少女とよばれて』などで知られる大映テレビ。漫画家・宮脇明子が『週刊セブンティーン』に連載していた同名少女漫画を原作に、当時の大映テレビが得意とした過激で誇張された演出、通称「大映ドラマ節」を極限まで注ぎ込んだサスペンスドラマでした。
そして、このドラマのオープニングを飾った主題歌こそが、シンガーソングライター・椎名恵のデビュー曲『今夜はANGEL』です。この楽曲は、1984年のアメリカ映画『ストリート・オブ・ファイヤー』の劇中歌『Tonight Is What It Means to Be Young』(歌:ファイヤー・インコーポレイテッド/作詞・作曲:ジム・スタインマン)に、日本語詞を乗せたオフィシャル・カヴァー曲でした。
名ナレーター・来宮良子の「古代ローマの神ヤヌスは、物事の初めと終わりを司る神であった……」というおどろおどろしいナレーションに続き、ドラムの連打とともに炸裂する『今夜はANGEL』。ヒロインの抑圧された魂が夜の街へ解き放たれる瞬間を象徴するこの楽曲は、オリコン週間チャートで最高4位を記録し、ドラマの劇的な世界観を完璧に決定づけました。