強烈なリーダーシップと聞くと、独裁的な姿勢を連想しがちだ。しかし、近藤忠の真骨頂は「人に対する深い洞察と信頼」にあった。
「システムを作るのは人間であり、システムを動かすのも人間である。人を置き去りにした改革に、本当の成功は存在しない。」
近藤は社員一人ひとりの意欲を引き出す言葉を持っていた。厳しい課題を突きつける一方で、苦境に立たされた部下を決して見捨てることはなかった。対話を通じて相手の強みを引き出し、自信を持たせる手法は、多くの後進から絶大な敬意を集めた。
対話が生み出す組織の一体感
大型プロジェクトの推進にあたり、近藤は反対派の意見にも丁寧に耳を傾けた。一方的な指示命令ではなく、徹底した議論を通じて相互理解を深める努力を怠らなかった。そのプロセスを経て形成された組織の一体感こそが、困難な局面に耐えうる強靭な組織力の源泉となった。