現場の指導にあたる実力派マナー講師の多くが指摘するのは、「丁寧すぎることによるマナー違反」の存在だ。例えば、頭語に「謹啓」を使いながら、結語に一般的すぎる「敬具」を組み合わせてしまうチグハグな記述が後を絶たない。日本ビジネスマナー協会が実施した最新のアンケート調査でも、ビジネスパーソンの約4割が頭語と結語の正しいペアリングを誤認識している実態が浮き彫りになった。
全日本マナー検定協会の幹部は「形式だけを丸暗記するのではなく、なぜその位置に配置するのかという文脈の理解が不可欠だ」と語る。頭語と結語は一対の対話であり、配置位置を1文字間違えるだけでも、文書全体のバランスと格調が損なわれてしまう。