「10円で買えるお菓子を子供たちに届けたい」——そんな熱い情熱から始まった物語がある。もともと筑豊の地で創業した松尾製菓株式会社は、地元の炭鉱労働者やその家族に親しまれるお菓子を作り続けてきた。昭和の高度経済成長期、3代目社長を務めた松尾喜宣氏の斬新なアイデアによって誕生したのが、独自のキューブ型チョコレート「チロルチョコ」だった。
時代の変化とともに事業が拡大する中で、製造を担当する松尾製菓株式会社から企画・販売部門が独立し、チロルチョコ株式会社が設立された。レトロで愛らしいキャラクター「チロルぼうや」は、今や世代を超えて愛されるアイコンとなり、日本の製菓業における大ヒット商品としての地位を揺るぎないものにしている。その原点であり、現在も変わらず製造の核を担うのがこの田川の生産現場なのだ。