作品の歴史を語る上で欠かすことができないのが、長年にわたり主人公の声を演じた声優TARAKO氏の存在だ。独特のハスキーで愛くるしい声のトーン、独特の間合いとリアクションは、まさにちびまる子ちゃんというキャラクターそのものに命を吹き込んだ。彼女の声が持つ圧倒的な親しみやすさは、視聴者にとって「隣の家に住んでいる女の子」のような距離感を作り出していた。
声優交代という大きな転換期を迎えた現在も、現場のスタッフやキャスト陣は彼女が残した表現の美学を大切に受け継いでいる。声を変えるのではなく、キャラクターが持つ「魂」と「温もり」をいかに未来へ継承していくか。アフレコ現場では、過去の録音素材やTARAKO氏の演技指導の記録を何度も確認しながら、一言一言に心を込めた収録が続けられている。