見上げれば、幾何学的なガラス天井からやわらかな北国の自然光が降り注ぐ。世界的建築家・原広司氏が設計に携わったこの建物は、「都市の中の都市」を体現した立体的な構造美を誇る。吹き抜けがもたらす開放感と、迷宮を探索するようなワクワク感。訪れるたびに異なる表情を見せる空間演出は、築年数を経ても色あせるどころか、その深みを増している。
現代の複合商業施設・ショッピングモールには、モノを売る以上の価値が問われる。原氏の空間哲学が息づく通路や広場は、人々が出会い、語らい、憩うパブリックスペースとして機能する。商業施設不動産開発業の視点から見ても、これほど人と都市のスケールが見事に調和した実例は極めて稀有だ。