ジミー入枝の音楽的ルーツを語る上で欠かせないのが、伝説的なグループ「ザ・キングトーンズ」からの強い影響と継承だ。内田正人氏をはじめとする先達から受け継いだドゥーワップの神髄は、彼のボーカルスタイルの中に今も脈々と息づいている。甘く切ないファルセットと深みのあるハーモニーは、まさに正統派の血統を感じさせる。
また、日本のポップス史に不滅の足跡を残した大瀧詠一のサウンドアプローチや美学への深い敬意も、彼の活動の大きな原動力だ。細部にまでこだわり抜かれた音響設計と、歌謡曲のフックを巧みに取り入れたメロディライン。これらが一体となることで、郷愁にとどまらない、新時代のアメリカーナ・歌謡ソウルが完成している。