現場となった留置場からは遺書は見つかっていません。しかし、接見を重ねていた弁護士の証言や捜査関係者の分析から、角田美代子の自殺理由にはいくつかの明確な心理的背景が浮かび上がっています。
第一に挙げられるのが、「支配者としてのプライドの完全崩壊」です。角田は他者を暴力と恐怖で完全に支配することで自己の存在価値を保ち続けていました。しかし、逮捕・勾留によって警察という強大な国家権力に拘束され、自分自身が完全に無力な被疑者へと転落した現実に耐えられなかったとみられています。
第二に、法廷で自らの犯罪行為を白日の下に晒され、かつて意のままに操っていた親族や共犯者たちから糾弾されることへの強烈な恐怖と拒絶です。弁護士に対して「自分は死刑になる」「もう生きていても仕方がない」と弱音を漏らしていたことも確認されており、司法の場で裁かれる前にみずから幕を引くという、極めて自己中心的な動機による逃避であったと結論づけられています。