冒頭の「カムチャツカの若者」というフレーズは、発表当時から多くの読者に鮮烈な印象を与えてきた。極東の辺境とも思える地名と、どこか悠久な「きりんの夢」という対比が、読者の脳内に一瞬で異国の風を吹き込む。
続いて登場するメキシコ、ニューヨーク、ローマ。登場人物たちは大げさな歴史的事件を起こしているわけではない。夢を見る、微笑む、寝返りを打つ、手に挨拶をする——ただそこに生き、日常の息をしているだけだ。
この「何気ない生の営み」こそが、朝の光とともに世界を包み込んでいく。詩人が提示したのは、政治的な境界線や宗教の違いを根底から無力化する、生命としての人間同士の絶対的な連帯であった。