1990年代前半、社会現象を巻き起こした伝説のヒューマンドラマがあった。フジテレビ系列で放送され、天才脚本家・野島伸司の手による金字塔『ひとつ屋根の下』だ。長男・達也を演じた江口洋介と、次男・雅也を演じた福山雅治。熱血で不器用だが温かい「あんちゃん」と、クールで知的な「チィ兄ちゃん」という絶妙な対比は、全国の視聴者を熱狂させた。
当時の撮影現場は、若き才能たちがぶつかり合う熱気に満ちていた。カメラが回れば互いの熱量を限界まで引き出し合い、合間には真剣な眼差しで演技論を戦わせる。最高視聴率37.8%という驚異的な数字を叩き出した背景には、台本上のセリフを超えた二人の人間的な化学反応があったことは疑いようもない。