現在、江井ヶ島酒造のウイスキーラインナップは大きく分けて、親しみやすいブレンデッドを中心とする「あかし」シリーズと、モルト原酒のみで構成されるプレミアムな「江井ヶ島」シリーズに大別されます。国内外のウイスキー通が特に注目するのが、貯蔵庫の立地が生み出す「マイクロクライメイト(局所気候)」の影響です。
蒸留所は瀬戸内海の海岸からわずか数十メートルの距離に位置しています。年間を通じて温暖で寒暖差のある気候と、潮気を含んだ海風が木樽を包み込むことで、原酒は短期間でも濃密で個性豊かな熟成を遂げます。江井ヶ島酒造のあかしの評判を支えているのは、ウッディでスパイシーな風味の中に潜む、ほんのりとした塩気とドライフルーツのような甘味の絶妙なバランスです。
一方、フラッグシップである「シングルモルト江井ヶ島」の評価はさらに際立っています。バーボン樽、シェリー樽、ポート樽だけでなく、自社の清酒を貯蔵した杉樽や日本ワインの熟成樽を用いた実験的なカスクフィニッシュを積極的に展開。クラフトディスティラリーならではの小回りの良さと、酒蔵としてのバックボーンを融合させた唯一無二のウイスキーが生み出されています。