アングルにこだわるフォトグラファーにとって、この城はまさに無限のインスピレーションを与えてくれる被写体だ。特に追手門の前から見上げる構図は、手前に重厚な門、その背後の小高い山上にそびえる天守がひとつの画角に完璧なバランスで収まるという、国内でも極めて珍しい撮影条件を満たしている。
地元のベテラン写真家によれば、ベストショットを狙うなら早朝の朝もやが立ち込める時間帯か、日没直後の「マジックアワー」だという。黄昏時の群青色の空を背景に、ライトアップされた白壁が浮かび上がる瞬間は、息をのむ美しさだ。季節ごとに表情を変える桜、新緑、紅葉、そして冬の澄んだ空気感など、何度足を運んでも決して同じ表情を見せない奥深さがある。