少子高齢化や過疎化が進む現代、地方に残された江戸時代の古い墓石群をどう管理・継承するかという問題が深刻化しています。「先祖代々の墓」が一基あるだけなら管理は容易ですが、江戸期の墓所には10基から20基以上の小さな墓石が林立しているケースが珍しくありません。
こうした古い墓所を整理する際、江戸時代の墓石処分と墓じまい費用には現代の墓とは異なる特殊な計算が働きます。一般的な墓石撤去費用は1平方メートルあたり約10万〜15万円が相場ですが、手掘りの自然石や小型の角塔婆が多数存在する場合、石材店によっては「石の基数×1基あたり2万〜5万円」の処分加算が発生することがあります。また、山林や狭小な農道沿いなど重機が入れない場所にある屋敷墓では、小運搬費用が上乗せされ、総額で50万円〜100万円を超える事例も存在します。
実務を進めるにあたっては、古い墓石の撤去と供養の注意点を把握しておく必要があります。第一に、石を粉砕・処分する前に必ず菩提寺の僧侶による「閉眼供養(魂抜き・お性根抜き)」を執り行わなければなりません。閉眼供養のお布施相場は3万〜5万円程度です。第二に、墓石の下から人骨(土葬後の残骨等)が出土した場合は、自治体への「改葬許可申請」が必要になります。掘り起こした遺骨や古い棹石は、菩提寺の無縁塔や永代供養墓へ移送して合祀供養するのが通例です。