うつ病の治療や休職が必要になった場合、健康保険による傷病手当金だけでなく、労働災害(労災)の認定を視野に入れることが欠かせない。労災と認められれば、医療費の自己負担がゼロになるだけでなく、給与の約8割が補償される。手続きの起点は、事業所を管轄する労働基準監督署への申請だ。
会社側が「労災ではない」と主張して申請書の事業主証明を拒否するケースも少なくないが、労働者自身が直接請求を提出することが可能だ。業務による強い心理的負荷(急激な降格、退職の強要、パワハラなど)が発症の原因であったことを立証するため、メールの履歴、業務指示書、給与明細、医師のカルテ、面談の録音データなどの証拠を綿密に保全しておくことが認定への決定打となる。