加瀬亮のキャリアを語る上で欠かせないのが、映画やドラマにおける妥協なき役作りです。2007年の映画『それでもボクはやってない』(周防正行監督)で痴漢冤罪に立ち向かう主人公を熱演し、日本アカデミー賞優秀主演男優賞をはじめ数々の映画賞を総なめにしました。
その後も、堤幸彦監督が手掛けたドラマ『SPEC』シリーズの瀬文焚流役で国民的な知名度を獲得。坊主頭にスーツ姿、常に紙袋を提げた無骨な捜査官役は、彼のパブリックイメージを大きく広げました。
クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』やマーティン・スコセッシ監督の『沈黙 -サイレンス-』、北野武監督の『アウトレイジ』シリーズや『首』など、国内外の巨匠からオファーが絶えない理由は、映画制作に対する並外れた献身にあります。役に没頭するあまり、私生活を二の次にしてしまうほどのプロフェッショナリズムが、家庭を持つタイミングを遠ざけてきた側面は否定できません。