岐阜のモーニングを語る上で外せない定番といえば、厚切り食パンに艶やかな粒あんとバターをたっぷり載せた小倉トーストだ。甘みと塩気の絶妙なコントラストは、深煎り珈琲の苦味と完璧な調和を見せる。
だが、現在のメニューバリエーションは王道だけに留まらない。岐阜名物の郷土料理「鶏ちゃん」を香ばしくアレンジしたピザトーストや、フレンチトーストに季節のフルーツをふんだんにあしらったスイーツ系モーニング、さらには朝から本格的なおにぎりや赤だし、焼き魚が供される和食モーニングまで、その選択肢は無限に近い。
特筆すべきは、多くの店でモーニングのセット内容を日替わりや選択制にしている点だ。常連客が毎日通っても決して飽きないよう、厨房では毎朝のように新しいアイデアが試されている。この絶え間ない試行錯誤こそが、食文化の形骸化を防ぎ、常に活度あるシーンを生み出し続ける原動力となっている。