バンダイナムコフィルムワークス(旧サンライズ)が誇る大作『機動戦士ガンダム00』で吉野が担当したアレルヤ・ハプティズムは、彼の繊細な芝居と爆発的な狂気が同居する記念碑的役柄だ。穏やかで自省的なアレルヤと、内に潜む凶暴な人格ハレルヤ。この極端な二面性を、声のピッチのみならず吐息の鋭さやリズムの変化だけで鮮烈に演じ分けた。
孤独な生い立ちに苦悩する青年が、過酷な戦場を通じて自らの存在理由を見出していく過程は、重厚なSF叙事詩の中でも屈指のエモーショナルな輝きを放つ。戦争の理不尽さと個人の尊厳を問うドラマを、吉野の陰影に富んだ声が見事に支え切った。