1990年代半ば、日本の音楽界とテレビ界は劇的な変革期を迎えていた。その中心地となったのが、フジテレビの土曜深夜枠でスタートした『LOVE LOVE あいしてる』だ。若きジャニーズの新星だったKinKi Kidsの堂本剛と堂本光一をメイン司会に据え、そこにフォーク界の巨匠・吉田拓郎が本格的なバラエティ番組のレギュラーとして参加するという企画自体が、当時のメディア界に激震を与えた。
その緊迫感漂うスタジオに、突風のように乱入してきたのが篠原ともえだった。お団子ヘアに派手なアクセサリー、独特のハイテンションな言語感覚「シノラー語」を引っ提げた彼女は、大先輩である吉田拓郎の懐へ躊躇なく飛び込んでいった。初めは困惑し、苦笑いを浮かべていた吉田拓郎だったが、彼女が持つ計算のない純粋なエネルギーと、音楽に対する鋭い感性を瞬時に見抜くこととなる。