音楽バーの神髄は、耳から入る音響と口に含むアルコールの完璧な同調にある。マイルス・デイヴィスの名盤から流れる哀愁を帯びたトランペットの音色には、氷が優しく揺れるスモーキーなウイスキーや、ビターなクラシックカクテルが驚くほどよく合う。
職人気質のバーテンダーが一杯一杯丁寧に仕立てるシグネチャーカクテルと、ハイエンドオーディオシステムが描く立体的な音像。低音がベースラインを力強く刻むとき、アルコールの芳醇な余韻が鼻腔を抜けていく。音と酒が互いの魅力を引き立て合うペアリングは、まさに五感で味わう芸術作品に他ならない。