デザイナーの横溝友里氏が生み出したキャラクターたちの中でも、「とかげ」が放つ哀愁は際立っている。実は捕まることを恐れて「とかげ」のフリをしている生き残りの「海竜」という切ない背景設定があるのだ。大好きなきゅうりをかじる姿や、森のなかま「にせつむり」と身を寄せ合う様子に、ファンは深い愛おしさを覚えずにはいられない。
この繊細なストーリーテリングこそが、単なる立体物としてのぬいぐるみに魂を吹き込んでいる。自分を偽って生きなければならないという切なさ。そして母親を想う一途な気持ち。とかげ(すみっコぐらし)の抱える秘密を知れば知るほど、手に取ったときの温もりが一層深く胸に染み渡るのだ。