学園ドラマといえば、熱血教師が力技で問題を解決する爽快感が定番だった。しかし、本作が提示したのはそれとは一線を画す地這いのリアルだ。学級崩壊、いじめ、貧困、そして親からの執拗な圧迫。教室の扉の向こうに潜む闇は、どれも一筋縄ではいかない問題ばかりである。
主人公・ハガネこと芳賀稲子は、けっして完璧なヒーローではない。失敗し、傷つき、泥臭くあがきながらも、けっして目の前の子どもを見捨てない。彼女の愚直な生き様が、画面越しに冷めた現代人の心を熱く揺さぶったのだ。理想論だけでは片付かない過酷な現実に対し、泥まみれになりながら対峙する姿こそ、本作が誇るドラマツルギーの真髄と言える。