既婚者という立場は、悪意を持つ第三者にとって格好の獲物となる。家庭や会社に知られたくないという強烈な心理的弱みがあるため、脅迫や恐喝のターゲットにされやすいのだ。
近年、特に警戒を強めているのが警視庁サイバー犯罪対策課だ。マッチングアプリを舞台にした「美人局(つつもたせ)」や、組織的なロマンス詐欺・投資詐欺の相談が後を絶たない。マッチング直後から急激に親密さを演出し、別の暗号資産投資サイトや偽の副業スキームへと誘導する手口が洗練されている。
さらに陰湿なのは、写真を撮影された上で「配偶者や職場にすべてを暴露する」と脅迫されるケースだ。法外な金銭を要求されても、被害者は警察や弁護士に駆け込むことを躊躇し、言われるがままに送金を繰り返してしまう。悪質グループはそうした既婚者の沈黙を計算し尽くして犯行に及んでいる。