大阪・難波の熱気を象徴するなんばグランド花月の舞台。そこには常に、島木譲二のパワフルな咆哮と観客の爆笑が響き渡っていた。プロボクサー出身という異色の経歴を持ち、その頑強な肉体と強面を前面に出したスタイルで、お笑い界において唯一無二のポジションを確立した人物である。
しかし、長年にわたる過酷なパフォーマンスは、徐々に彼の身体を蝕んでいた。体調不良を理由に休養を発表した当初、劇場やファンからは復帰を熱望する声が絶えなかった。本人も舞台への強い情熱を持ち続けていたが、表舞台から姿を消した裏では、想像を絶する静かな戦いが始まっていた。