中山美保(本名:石田美保子)さんは、1966年(昭和41年)に吉本新喜劇へ入団しました。デビュー当初はその端整な顔立ちと上品な佇まいを活かし、劇中を華やかに彩る吉本新喜劇の看板マドンナとして活躍。可憐なヒロイン役として劇場のファンを魅了していました。
しかし、彼女の真骨頂が発揮されたのは年齢を重ねてからのことでした。美貌を保ちつつも、徐々に「金持ちの有閑マダム」「高飛車な社長夫人」「口うるさい成金おばちゃん」といったアクの強いキャラクターへとシフトチェンジ。気品漂うドレスや大きな羽付き帽子を身にまとい、登場するだけで劇場の空気を一変させる圧倒的なキャラクターを確立したのです。
当時の新喜劇において、女性座員が単なる引き立て役にとどまらず、自ら強烈なボケやリアクションで爆笑をさらうスタイルは極めて画期的でした。なんばグランド花月の舞台に立つ彼女の姿は、まさに新喜劇の「顔」そのものでした。