ネット上や週刊誌で長年センセーショナルに報じられてきたダウンタウンとんねるず不仲説の真相について、結論から言えば「プライベートでの激しい衝突や憎み合いがあったわけではない」というのが芸能関係者の一致した見解です。それにもかかわらず、なぜ2組は四半世紀以上ものあいだテレビ画面上で交わることがなかったのでしょうか。そこにはダウンタウンとんねるず共演NG理由として語られるべき、テレビ業界特有の構造的要因が存在していました。
最大の要因は、1980年代後半に勃発した『お笑い第三世代』の台頭に伴う、放送局内のプロデューサー派閥の抗争です。当時、フジテレビでは木曜21時枠に『とんねるずのみなさんのおかげでした』(前身番組を含む)が君臨し、石田弘エグゼクティブプロデューサー率いる「石田班」が番組制作を牛耳っていました。一方、日曜20時枠で爆発的なムーブメントを起こした『ダウンタウンのごっつええ感じ』は、佐藤義和プロデューサーを中心とする別系統の班が担当していました。
局内における看板番組同士の激しい視聴率競争、さらには伝統ある吉本興業と、新興勢力として急速に勢力を拡大したオフィスA to Z(現・アライバル)との間のパワーバランスが複雑に絡み合いました。「両者を同じ画角に収めることは、制作費の肥大化や序列の取り決めなどリスクが高すぎる」と判断した制作上層部が、現場レベルで共演を回避する自主規制、いわゆる業界特有の過度な忖度を敷き詰めたことが、長期にわたる「共演NG」の実態でした。