俳優・平山祐介の真価を世に知らしめた原点といえば、名作映画『海猿』シリーズを抜きには語れない。極限状態の海上保安官たちを描く同作で、彼は本職の潜水士と見紛うほどの説得力あるフィジカルと精神性を披露した。過酷な水中撮影をものともせず、役に命を吹き込む姿は、アクション映画の担い手としての地位を不動のものにした。
その説得力を決定打にしたのが、日本のテレビドラマ史に刻まれるポリスアクション『S -最後の警官-』だ。特殊急襲捜索群(NPS)の頼れるスナイパー・嵐悟役として見せた銃火器の緻密な扱いと、極限の緊張状態における冷静沈着な所作は、ミリタリーファンをも唸らせる完成度を誇った。「本物」を知る者だけが醸し出せる冷徹なプロフェッショナリズムは、平山という役者の代名詞となった。