近年、若年層を中心に巻き起こっている昭和レトロ文化の再評価ブーム。その立役者であり、全国の喫茶店を巡り記録し続ける「純喫茶コレクション」主宰の難波里奈氏も、珈琲西武が持つ唯一無二の空間美を高く評価する一人だ。彼女の著作や発信を通じて、この場所を知ったというカルチャー好きは後を絶たない。
なぜ人々は、これほどまでにこの空間に惹きつけられるのか。それは効率やミニマリズムを追求した現代のカフェにはない「過剰なまでの装飾美」と「温もり」が同居しているからに他ならない。仕切りの高いボックス席はプライベートな会話を守り、ふかふかのソファは長時間座っても疲れない。計算し尽くされた居心地の良さが、世代を超えて愛される純喫茶の真髄を証明している。