大晦日の夜、テレビのリモコンを手に「何を見るべきか」と迷う視聴者は少なくありません。かつてのように「とりあえず紅白を流しておく」という受動的な視聴スタイルから、能動的に見たいコンテンツを選び取る時代へと移り変わったからです。
大晦日特番の絶対王者であるNHK紅白歌合戦は、若年層の取り込みを狙ったボーダレスなアーティスト起用を加速させ、SNSでのリアルタイム実況を強く意識した演出を強化しています。これに対し、民放キー局は真正面からの勝負を避け、異なるニーズを刈り取る独自のゲリラ戦法を展開しています。
日本テレビは『笑ってはいけない』シリーズ休止以降、若手からベテランまで人気芸人を結集させた生放送バラエティで笑いを追求。TBSは看板特番であるアスリート挑戦企画やカウントダウン特番生放送の『CDTVライブ!ライブ!年越しスペシャル』へ繋ぐ音楽リレーを構築しています。またフジテレビはファミリー層を狙い撃ちにする『逃走中』の大型枠を展開し、テレビ東京は独自の脱力感を放つ『孤独のグルメ』で確固たる深夜帯の支持を固めています。
視聴者の属性やその夜の気分によって、選ぶべきチャンネルは明確に分かれます。「家族全員で話題の最新ヒット曲を網羅したいなら紅白」、「同世代の仲間や個人のスマートフォンでクスッと笑いたいならお笑い特番や独自ドラマ」、「深夜帯のカウントダウンで音楽フェス感を味わいたいならTBS」というように、自分の過ごし方に合致した選択が満足度を大きく左右します。