善逸の兄弟弟子である獪岳は、優れた才能を持ち、雷の呼吸の「弐ノ型」から「陸ノ型」までを完璧に使いこなす実力者でした。しかし、すべての型の基本かつ初動である「壱ノ型」だけはどうしても習得できませんでした。
無限城編において上弦の陸となった獪岳が放つ雷は、人間時代のものとは一変し、禍々しい「黒い雷」へと変貌を遂げていました。
血鬼術と融合した「黒い雷」の殺傷システム
獪岳の黒い雷は、単なる視覚的エフェクトの変化ではありません。刀身から放たれる雷撃に獪岳自身の血鬼術が上乗せされており、「斬撃を受けた相手の肉体を内側からひび割れさせ、引き裂き続ける」という凶悪な追加効果を有しています。善逸はこの術により、かすり傷ひとつから皮膚や筋肉が裂け、激痛と失血に苦しめられることとなりました。
なぜ獪岳は「壱ノ型」を使えなかったのか
壱ノ型・霹靂一閃は、迷いを捨てて全霊を下半身に乗せる「覚悟」と「爆発的な集中力」を要する技です。ファンブックや作中の描写から浮かび上がるのは、獪岳の「常に他者を見下し、自己の保身と評価ばかりに意識が分散していた精神的脆さ」です。
器用に技の形をなぞることはできても、己のすべてを預けて踏み込む肚の括り方ができなかったことが、壱ノ型習得を阻んだ根本的な要因といえます。