悲劇の発端は、ジャスティン・ビーバー自身のInstagramアカウントで公開された一本の動画だった。画面に現れた彼の顔は右半分の筋肉が完全に麻痺しており、瞬きも微笑むこともできない悲痛な状態を物語っていた。診断名は「ラムゼイハント症候群」。水痘・帯状疱疹ウイルスが顔面神経麻痺を引き起こすこの難病は、歌唱はおろか日常生活にすら著しい支障をきたす。
闘病中、彼の傍らで精神的支柱となり続けたのが妻のヘイリー・ビーバーだ。過酷なリハビリと治療の日々において、ヘイリーの存在が彼の心を繋ぎ止めた。無理なツアー続行は永続的な後遺症を残すリスクがあったため、医療チームと協議を重ねた結果、ツアーの全面休止という勇気ある判断が下されたのである。