スマートフォン向け液晶パネルの需要縮小により主力を失った同社が、起死回生をかけて舵を切ったのが電気自動車(EV)や次世代モビリティ向けの車載ディスプレイ事業だ。運転席から助手席までを覆う大型の一体型ディスプレイや高精細なHUD(ヘッドアップディスプレイ)需要は、自動車のSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)化に伴い確かに拡大している。
だが、ここに大きな落とし穴が存在する。中国のパネルメーカー群が国からの巨額の補助金を背に、車載市場へもなりふり構わぬ低価格攻勢を仕掛けてきている点だ。自動車メーカー側のコストカット要請は年々厳しさを増しており、かつて同社が自負していた高品質と技術的優位性だけで利益率を保つことは容易ではない。案件の受注実績という「表面上の数字」と、実際に手元に残る「営業キャッシュ」の乖離が、株価の上値を重く抑えつける構造的な要因となっている。