この園を語る上で欠かせないのが、初夏を彩るアジサイのコレクションだ。園内には約25種38,000株が植栽されており、日本トップクラスの規模を誇る。中でも最大の目玉は、シーボルトの『日本植物誌』に記載されながら長らく実物が確認されず「幻の花」と呼ばれていたヤマアジサイの変種「シチダンカ」だ。1959年に六甲山中で再発見されたこの可憐な星型の花は、6月上旬から7月上旬にかけて見頃を迎える。
アジサイの見頃が過ぎると、園内は夏の深緑、そして秋の紅葉へと表情を変える。11月上旬から下旬にかけては、イロハモミジや長谷池の周りを彩るハナノキが鮮やかに色づき、水面に映り込む紅葉の美しさは息をのむほどだ。冬場も針葉樹林の静寂な散策が楽しめ、四季折々の表情で訪れる者を魅了し続けている。