駅構内の大型ビジュアルやWebメディアで見かける近鉄 わたしは奈良派のポスター。その最大の特徴は、一般的な観光パンフレットに見られる「派手なキャッチコピー」や「名物の詰め込み」を極限まで削ぎ落としている点にあります。そこに映し出されるのは、朝露に濡れる苔庭や夕暮れの浮見堂、飛鳥の田園風景といった、奈良が本来持つ「素朴な時間」そのものです。
観光マーケティングの現場調査によると、主要都市の過密化に伴い、観光客の約68%が「静寂を感じられる場所でリフレッシュしたい」という願望を抱いていることが判明しています。近畿日本鉄道が仕掛けるこのキャンペーンは、観光特急「あをによし」の運行開始以降さらに深度を増し、移動空間から現地での滞在体験までが一貫した世界観でデザインされています。
公式のプロモーション展開に留まらず、定期的に開催されるわたしは奈良派 写真展や公式フォトコンテストには、プロ・アマ問わず数千点に及ぶ応募が殺到。SNS上では「写真を見るだけで深呼吸したくなる」「次の週末は一人で奈良に行こうと決めた」といった自発的な投稿が連日交わされており、広告の枠を超えたひとつのカルチャーとして定着しています。