現場で行動を共にしていたジャパンプレス代表の佐藤和孝氏は、あの数分間の出来事を克明に語り続けている。「迷彩服を着た兵士が銃を構え、一直線に発砲してきた」。狙撃ではなく、明らかに殺意を持った部隊による面制圧射撃。逃げ場のない狭い路地で、カメラを回し続けていた山本氏は標的となった。
真相究明への道のりは険しい。シリア内戦下における戦争犯罪を巡っては、国境なき記者団(RSF)や国際人権団体が繰り返しアサド政権の責任を追及してきた。ジュネーブの国連人権理事会でもジャーナリスト殺害の免責不処罰(インピュニティ)が深刻な課題として議論されている。法廷での責任追及が複雑な国際政治の壁に阻まれる中、残された映像データやヘルメットの弾痕解析など、未公開の検証資料を通じた真相究明の試みが現在も有志の法学者やジャーナリストらの手で続けられている。