日本の女性アイドル・ボーカルグループというフィールドにおいて、リトグリが果たした役割は異例だった。ダンスやキャラクター性以上に、純粋な「歌の力」「生歌のクオリティ」だけで勝負を挑み、数々のスタジアムを満員にしてきた実績がある。
その最前線で、感情をストレートに乗せたエモーショナルなフェイクやハイトーンを担当していたのが芹奈だ。常に完璧なピッチと圧倒的なダイナミクスを要求される環境は、彼女の繊細な感受性を極限まで研ぎ澄ませると同時に、精神をすり減らす両刃の剣となっていた。ステージ上での異変は、表現者としての純度が高すぎたがゆえの必然的なクラッシュだったとも言える。