「まるで上質なマグロのトロか、濃厚な洋菓子のアングレーズソースだ」
昆虫食の可能性を追求するシェフの篠原祐太氏は、幼虫の味わいをそう表現する。特に日本最大級の甲虫であるシロスジカミキリの幼虫は、昆虫食愛好家の間で「幻の逸品」と崇められてきた。クヌギやノグルミの木の中で何年もかけて木の栄養分を蓄えて育つため、その身体は上質な脂質で満たされている。
また、独自の野食文化を発信し人気を博すライターの茸本朗氏も、YouTubeや自身のWEB発信でその破格の美味を度々検証している。加熱した幼虫の皮を噛み破ると、口いっぱいに広がるのは柑橘類や豊かな木の香り、そして芳醇なナッツのようなコクだ。パサつきや臭みは一切ない。一度味わえば、これまでの昆虫食に対する固定観念は完膚なまでに打ち砕かれる。