1997年の放送開始当時、刑事ドラマにおける女性警察官といえば、お茶汲みや事務職、あるいは人質役といったステレオタイプな描かれ方が少なくなかった。その常識を根底から覆したのが恩田すみれだった。男性社会の警察組織の中で、泣き寝入りせず、自分の足で歩き、自分の言葉で怒る。深津絵里が演じたそのキャラクターは、当時の働く女性たちにとって圧倒的な共感の対象となった。
胃薬を常用し、犯人からの襲撃によるトラウマに苦しみながらも、決して現場を諦めない。その泥臭くも人間味あふれる演技は、深津の繊細な表情の変化によって見事に表現されていた。彼女が画面の中で見せるタフさと脆さの絶妙なバランスこそが、ドラマに圧倒的なリアリティを与えていたと言える。