TikTokやInstagramでは、スマートフォンのカメラで捉えた花火の映像に、スローモーションのエフェクトと「若者のすべて」の音源を重ねた投稿が爆発的な数にのぼる。それは単なる流行の模倣ではない。デジタルネイティブたちが、実体験としての「昭和・平成レトロ」を知らないまま、記号としてのノスタルジーを消費し、自己表現の手段としている構図が見て取れる。
画面越しの花火は美しく、そしてどこか冷たい。リアルな体験の価値が揺らぐ時代だからこそ、刹那的な美しさを象徴する花火と、それを切り取る短い動画フォーマットは抜群の相性を見せている。