日本列島に生息する2大大型哺乳類、ヒグマとツキノワグマ。体格や主な棲み分けは異なるものの、食のバリエーションの豊富さには驚くべき共通点がある。春先には芽吹いたばかりのフキやタケノコ、夏には高タンパクなアリやバッタといった昆虫類、そして秋には猛烈な勢いで栄養を蓄えにかかる。
特に秋の越冬準備期において、両者の命運を握るのが堅果類(ドングリやミズナラ、ブナの実など)だ。ツキノワグマは器用に樹上に登り、枝を折って引き寄せることで効率よく実を貪る。一方、陸上生態系の頂点に立つヒグマも、サケやマスといった水産資源だけでなく、ヤマブドウやコクワ、さらには高デンプン質な根菜類まで貪欲に口にする。あの巨体を維持しているエネルギーの大部分が、実は身近な植物性資源という事実は興味深い。