対戦バランスの設計において、開発陣が最も意図を込めたとされるのが「素早さ種族値102」という設定です。
ポケモンの対戦史において「素早さ100」には特別な意味があります。リザードン、サンダー、ボーマンダ、ウルガモス、マナフィなど、各世代を彩る強力なエースや準伝説ポケモンがひしめく超激戦区です。さらに第5世代では素早さ101の霊獣ボルトロスや霊獣トルネロスといったポケモンが台頭しました。
ガブリアスはこの「素早さ100族・101族」を、性格補正をかけて努力値を最大まで振ることで、確実に上から殴り倒せるように設計されています。たった「2」の差がもたらすバリューは天と地ほど大きく、100族のエースたちに同速勝負の運ゲーを一切許しません。上からタイプ一致の「じしん」や「げきりん」を叩き込める事実こそが、相手の選出を縛り上げる最大の抑止力となっていました。
第4世代から第6世代にかけて、シングルバトルの使用率ランキングで毎シーズン1位を独占し続けたその威風堂々たる存在感から、誰からともなく「ポケモンの真の主人公」と呼ばれるようになりました。どんな強力な伝説や新ポケモンが登場しても、環境の中心には常にガブリアスが鎮座し、構築のスタンダードとして機能していたからです。