世界で最も有名な国旗の1つである「ユニオンジャック(Union Jack)」は、構成国の旗を重ね合わせてデザインされた象徴的な旗です。しかし、その図柄を詳細に確認すると、4カントリーのうち3カ国分しか反映されていません。
【ユニオンジャックを構成する3つの十字】
- イングランドの旗:白地に赤の十字(セント・ジョージ・クロス)
- スコットランドの旗:青地に白の斜め十字(セント・アンドリュー・クロス)
- アイルランドの旧旗:白地に赤の斜め十字(セント・パトリック・クロス)
1603年にイングランドとスコットランドが同君連合となった際、両国の旗が統合されて最初のユニオンフラッグが誕生しました。その後、1801年にアイルランド王国が併合された際、アイルランドの守護聖人である聖パトリックの十字が加えられ、現在のデザインが完成しました。
では、なぜウェールズの象徴である「赤い竜(レッド・ドラゴン)」は国旗に含まれていないのでしょうか。その理由は、統合の時期にあります。ウェールズはユニオンフラッグが作られる数百年も前(1536年の合同法など)にイングランド王国の一部として法律上完全に編入されていたため、「対等な王国の合邦」ではなく「イングランド領内の一地域」として扱われていたからです。近年ではウェールズ議会や市民から「現代の国旗にウェールズの要素を組み込むべきだ」というデザイン改訂案が定期的に提起されています。