「伺います」の敬語は正しい?行く・聞くの違いと二重敬語の罠

「伺います」の敬語は正しい?行く・聞くの違いと二重敬語の罠

「伺います」の敬語は正しい?行く・聞くの違いと二重敬語の罠の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

「伺います」という言葉を正しく使いこなすための第一歩は、その敬語の種類を正確に理解することです。文化庁の文化審議会が策定した現代の敬語分類(尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ/丁重語・丁寧語・美化語の5分類)において、「伺う」は謙譲語Ⅰに位置づけられます。

謙譲語Ⅰとは、自分の行為の向かう先(相手側)を立てるために、自らの動作をへりくだって表現する形式です。これに丁寧語の助動詞「ます」が結合したものが「伺います」であり、相手への敬意表現として極めて高い完成度を持っています。

しかし、この言葉の扱いを難しくしているのが、単一の語彙でありながら複数の原義(動詞)を持っている点です。主に以下の3つの意味で用いられます。

  • 「行く」「訪れる」の謙譲語:相手のオフィスや自宅へ足を運ぶ動作をへりくだる(例:明日14時に御社へ伺います)。
  • 「聞く」の謙譲語:相手の話や講話などを耳に傾ける動作をへりくだる(例:ご高名を伺っております/詳しいお話を伺います)。
  • 「尋ねる」「質問する」の謙譲語:相手に疑問点を問う動作をへりくだる(例:1点、確認事項を伺います)。

文脈によってどの意味として機能しているのかが瞬時に伝わらない場合、ビジネスコミュニケーションにおいて認識のズレを生むリスクを孕んでいます。これが「伺います」を扱う上での最初の注意点です。

橋本 菜々子
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橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。