自分自身で皮膚の変化を察知するために、皮膚科学の領域で世界的に広く推奨されている臨床指針が「ABCDE規則」だ。アルファベットの頭文字を取ったこの評価軸は、怪しい色素斑を短時間でチェックする有力な基準となる。
まず「A(Asymmetry:非対称性)」は、中央で分けた時に左右の形が不揃いである状態を指す。「B(Border:輪郭)」は、境界がギザギザしていたり、ぼやけて不鮮明であったりする特徴だ。「C(Color:色調)」は、1つの斑点の中に黒、茶、赤、白、青など複数の色が混ざり合い、濃淡がまだらになっている状態を意味する。「D(Diameter:直径)」は、6ミリメートル以上の大きさ(鉛筆の消しゴム程度)を超えているかどうかが目安だ。そして最新の解釈で最も重視されるのが「E(Evolving:変化)」であり、形、大きさ、色、あるいは表面の隆起具合が刻一刻と変化しているかどうかが危険信号となる。
さらに、出血や滲出液、強い痒み、急激な隆起といった臨床的な変化も見逃してはならない。これまで変化のなかった古いほくろが突然成長を始めたり、周囲に飛び火したような小さな黒点(衛星病変)が現れたりした場合は、ただちに警戒すべきサインだ。