この壮絶な半生を鮮烈に現代へ蘇らせたのが、主演を務めた伊藤沙莉だ。従来の朝ドラヒロインにありがちな「明るく健気な少女」の枠組みを打ち破り、理不尽に対する怒りを露わにし、時に悩み泥臭く立ち向かう主人公・猪爪寅子を見事に演じ切った。
連続テレビ小説「虎に翼」は、単なる懐古的な伝記ドラマの枠を完全に踏み越えた。法とは何か、権利とは誰のためにあるのかという根本的な問いを、軽妙なユーモアと鋭い社会批評を交えて描いた作品作りは、今も語り継がれている。連続テレビ小説の枠組みを更新した挑戦的なメッセージは、多くの視聴者の価値観を揺さぶった。