映画『花束みたいな恋をした』で描かれたように、かつてあれほど趣味や価値観が合致し、時間を忘れて語り合った二人であっても、生活のすれ違いや対話の減少によって関係が形骸化していく姿は、現代の若者にとって他人事ではない。Pairsなどのマッチングアプリで運命的な出会いを果たし、順調に交際へ発展したカップルであっても例外ではないのだ。
休日にはそれぞれの部屋で個別にNetflixを鑑賞し、連絡はルーティン化したLINEの挨拶メッセージのみ。一見平穏に見えるこの関係こそ、感情の冷却期に突入しているシグナルである。株式会社IBJをはじめとする恋愛・カウンセリング業界の市場データでも、交際初期から中期にかけて「対面デートの頻度が月1回以下に落ち込んだカップルの破局率は80%を超える」という衝撃的なデータが示されている。デジタルツールがどんなに進化しようとも、リアルな体験の共有なしに愛情を維持するのは容易ではない。