では、実際に「言葉が出ない」違和感を覚えた際、どのような基準で行動を起こすべきなのでしょうか。受診先のミスマッチを防ぎ、最速で適切な医療にアクセスするためのトリアージ基準を提示します。
医療機関の選び方|脳神経外科・神経内科の受診目安
受診先を迷った際は、言葉が出ない何科を受診すべきかという問いに対し、「突発性と付随症状」を基準に判断します。
- 脳神経外科・神経内科(救急搬送を含む):突然言葉が出なくなった、ろれつが回らない、片方の手足に力が入らない・しびれる、視野が欠ける。これらの症状が1つでもある場合、脳神経外科神経内科受診目安として迷わず119番通報をするか、脳卒中救急を受け入れている総合病院へ直行してください。画像診断(MRI/MRA、CT)による即時評価が生死と後遺症の程度を分けます。
- 心療内科・精神科:特定の人物の前や会議中など特定のシチュエーションでのみ言葉が出なくなる、動悸や手の震えを伴う、長期間の過重労働や不眠が続いている場合は、メンタルヘルス不調による前頭葉の機能低下が疑われます。
- 脳神経内科(物忘れ外来):数ヶ月から半年以上のスパンで徐々に物の名前が出にくくなってきた、同じ話を何度も繰り返すようになったという場合は、認知機能の精密検査が推奨されます。
会話中に言葉が出てこなくなった際の現場対処法
医学的な精査を受ける前提のもとで、日常のコミュニケーションの場で言葉が詰まってしまったときの現実的な応急策を知っておくことも有効です。会話で言葉が出てこない対処法として、以下の3ステップが推奨されます。
- 素直に言語化の遅延を開示する:無理に取り繕おうと焦ると交感神経がさらに刺激され、前頭葉がロックされます。「失礼、今ちょっと単語がすっと飛んでしまいました」「少し考えを整理させてください」と一言断りを入れることで、心理的プレッシャーを即座に解除します。
- 迂回表現と言い換えを活用する:固有名詞が出ないときは、「あの〇〇の機能を持ったやつ」「先週の会議で話題に出た件」と、周辺情報や用途を説明する言葉に切り替えます。周辺を語るプロセス自体が脳の連想ネットワークを刺激し、目的の単語を呼び戻すトリガーになります。
- 深呼吸による副交感神経の強制リセット:息を4秒かけて鼻から吸い、8秒かけて口から細く長く吐き出します。呼気を長くすることで迷走神経が刺激され、過剰な扁桃体の興奮を沈静化させることができます。